「ムカつく」「ヤバイ」・・機能化・効率化を目指した社会は、言語まで短縮して「ニュースピーク」を生んだ。しかしそれは効率化どころか逆にコミュニケーションの喪失をもたらし、沈黙という語りえない「心の闇」を大量発生させる結果となったのである。
-[1949-] 横浜市出身のフランス文学者・評論家 鹿島 茂2013年著『悪の引用句辞典』より‐
「ニュースピーク」とはジョージ・オーウェル[1903-50]が1949年に書いた未来SF小説『1984年』に出てくる簡易言語なんだ。この時代は、「ビッグブラザー」という巨大なコンピュータが人類を徹底的に監視・管理している恐怖の世界なんだね。恐らく執筆した1949年には米ソ冷戦が始まり、共産主義国家ソヴィエト連邦の恐怖政治が背景にあるんだね。
この小説のスゴイところは、監視社会の未来世界では、党のイデオロギーに反する思想を考えられないようするために言葉を制限し、「ニュースピーク」という簡易言語を国民に強制し、「考えない人類」を作っているんだ。
では、現実の『2018年』はどうなっているだろうか?
「ビッグブラザー」に支配される恐怖社会ではないけれど、無数の監視カメラで監視され、命令もされないのに若者言葉は「ニュースピーク」になっている!!
その「ニュースピーク」は極端にボキャ貧に陥り、「ムカつく」「ヤバイ」でしか表現できない。
テレビ番組ですらタイトルそのものが「ニュースピーク」になっている。国民は本を読まず、テレビも見ず、スマホ依存症になって都合のいい情報にしか関心を示さない。「ビッグブラザー」はインターネットだったんだね。
つまり「考えない」いや、「考える能力」を喪失していってる。国会議員ですらそうなっている。
目先のどうでもいいような矮小な問題に声をあげ、大事な問題から首相から国民まで全員が逃げている。「考える」ことの放棄だ。
これこそ日本のかかえる最大の問題だと思うぞ。

日本はかつて世界でいちばん真面目に「資本主義社会」を体現し、古い考えにフタをし歴史に目を閉ざし、効率化・機能化にまい進してきた。
そして、どこの国よりも成功した・・・かに見えた。しかし、その副作用の効果も大きかったんだ。
あまりに便利で効率化さた社会は、言葉も効率化し、「考えない人間」の集団である日本社会を生んだ。デモもなければ会議で声をあげるものもいない。でも、複雑な心の中は「沈黙」の闇に閉じこもり、いつか臨界点を超え・・・・爆発する。
先例がある。限りなく「共産主義化」したソ連がそうだった。なんでも国家が管理する「社会主義」は国民を無責任にし、考えない社会をつくってしまった。そして滅んだ・・・。
日本は考えない社会になっている。この状態はおそろしい結果を招くかもしれない。

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