アジアで私を恐れさせたものは、アジアが先行して示している、われわれの未来の姿であった。
‐[1908-2009] フランスの社会人類学者 クロード・レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』より‐
レビ=ストロースが亡くなった。101歳だったそうな。
今日の言葉は新聞にも載ってた彼のベストセラー『悲しき熱帯』の有名な一節だ。
これはレビ=ストロースがインドなどのアジア地区を見たときの感想なんだ。
前も言ったけど僕は学生時代に『権威主義社会下の大衆心理』ってゼミを取っていたのでいろんな本を読んだ。そのときにこの『悲しき熱帯』も読んだ。まあ、教授がすすめたんだけど。
おそらくこれを読んだ人は共通のショックを感じたと思うんだけど、学生時代の浅薄なバイカー修ちゃんは、先進国たるヨオロッパ人が植民地たるアジアを見て、『終末世界への一つの進化の予兆を見る』って感じていることだ。
この『悲しき熱帯』が世界でベストセラーになったんだよ!
ヨオロッパ人の世界観を変えるこの本が!
アジアが「異質」なのではなく、アフリカが「異質」なのではなく、いちばん遅れて文明を開花させたヨオロッパが「異質」なのだと思う。
そのかつて野蛮だった人々が、キリスト教から派生して生まれた機械文明をもってして野蛮性をのこしたまま世界のいたるところに災いを残したのが現代だと思っている。
アジアで唯一植民化されなかったこの日本はなぜ他のアジアのように野蛮なヨオロッパ人から植民地化されなかったのか?
ここを日本の歴史は正しく教えていない(正しい歴史なんて言い方が中国的でうさんくさいね!)
当時の信長時代の日本が高度でヨオロッパ人からみたら異質な文化を持っていたことと、恐るべき軍事大国だったからだ。
「どうせこの未開人はたいしたことなかろう」ってな調子で「鉄砲」を与えたら、たった10年で全ヨーロッパをしのぐ鉄砲を「大量生産」して実用化してしまう高度な文明すらもっていたからだ。
ところが日本にはレビ=ストロースみたいな人はあんまりいないので、いまだに自国の歴史を矮小化する傾向がある。
アジアの中でも日本はそういう意味でまた「異質」な国なのはまちがいないと思うぞ。
今日の朝のニュースみてたら、ニューヨーカーがよろこんで「スシ」食ってる。
たった30年前、バイカー修ちゃんはアメリカ人から「生のサカナを食う野蛮人」って言われたんだ。
ヨオロッパ人はいちばん遅れてきた文明を持った最終ランナーのくせに今ごろになって「他の文化」を理解しようといている。
自分が他の文化を破壊し、いままでしたことへの反省が先だろう。
「われわれは植民地化で未開の人々に文明を与えた」なんて思いあがりも甚だしい。
西欧を理解することと追従することは違うと思う。
多くの日本人にとって、この「壁」はベルリンの壁より高いかもしれない。


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