2008年02月25日

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)

日暮るれば さそひしものを赤沼の 真菰(まこも)がくれのひとり寝ぞ憂(う)き
-[1850-1904] アイルランドの英文学者 小泉八雲ことラフカディオ・ハーン「おしどり」より-

小泉八雲っていうと「怪談」だね。中学生時代、英語の教科書にのっぺらぼうの話が載ってたんだ。「Mujina:むじな」だね。変わった人だよね。アイルランド人なのに日本に帰化して奥さんまでもらって日本人になったんだ。彼の「怪談」の中にたった4ページの話がある。「おしどり」だ。陸奥の国(今の青森から福島あたりかな)に鷹匠(たかじょう)で暮らしている村允(そんじょう)というものがいた。その日は獲物も獲れず、帰り道に赤沼という沼をとおりかかったらつがいのおしどりがいる。腹も減っていたので仕方なく弓で射てしまった。雄のおしどりを片手に家に帰り食べてしまったその夜、悪夢を見た。美しい女が枕元で泣くのである。泣きながら歌った歌が「今日の一言」だ。「どうしてあなたはあの人を殺してしまったの・・あの人がなにをしたんでしょうか」「あなたには自分のしたことがわかっていない・・明日、赤沼にいらっしゃればわかるでしょう。あなたがしたことが・・」  村允は気になって翌日赤沼に出かけ岸に立って見ると雌のおしどりがいた。そのおしどりは村允めがけて泳いできて、目の前でくちばしで自分自身をつらぬき自害して果てた。その後村允は剃髪(ていはつ)して僧になった。悲しい話だよね。こういうセンチメンタルな話を狩猟民族の八雲ことハーンが理解したっていうのがおもしろい。バイカー修ちゃんは週末、小泉八雲を読みふけっていました。今の日本には「むじな」はいないけど、妖怪や魑魅魍魎(ちみもうりょう)はいっぱいいるぞ。

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コメント

ZZRさんいらっしゃい!
そうなんですか!ハーンが松江にいたとは知りませんでした。確かにハーンは左目が見えないんですよね。だから残された写真は右側ばかりなんですね。そして残る目も「近眼」だとは知りませんでした・・。
そこまで日本にのめりこむとは、たぶん英国人仲間でも浮いた人だったんだと思いますねえ。
長崎の「飴屋の幽霊」は有名な話です。伊良林の光源寺が舞台です。
「長崎さるく」という市内を歩く(方言で「さるく」)のコースにもなってますよ。これはオチがあって、光源寺の墓で消えた女の幽霊の場所で赤ん坊の泣き声がする。掘り返して見ると元気な赤ん坊が・・。
(まるで「墓場の鬼太郎」ですな)赤ん坊は無事、父親の元へ。
ある夜、また女の幽霊がお礼に現れ、なにか願い事をかなえてあげるという。「水が足りない(長崎は慢性水不足なんです)」というと、井戸を掘れと言い残し、消えてしまった。この井戸から水が出て、たすかりましたとさ!

  • バイカー修
  • 2008年02月27日 09:55

ご無沙汰しています。

私、熊本大学卒業で、今の会社で松江支店に
勤務したことがあります。
どちらもハーンの滞在した土地です。

ハーンは松江に来て結婚したものの、松江の
冬の寒さに耐えかねて熊本に移っていきました。
それまで、世界中を旅してたみたいですね。
あの時代の人としては驚異的な行動力です。
ギリシャ生まれのアイルランド人、流石です。

松江の小泉八雲旧居にはハーンの書斎机が
展示してありますが、確か、ハーンは左目が
見えなくて、右目が極度の近視だったはず
です(逆だったかな?)。
だから、机はとても独特の高さでした。
大人の机に子供が座ったくらい、机の天板が
高くて、ハーンの目の位置と天板の距離は
10センチ以内だったかも。

ハーンの怪談なのか、長崎の怪談なのか、
「夜な夜な飴を買いに来て、墓地で子供に
食べさせていた母親の幽霊」の話がとても
印象に残っています。長崎市伊良林の話
とも言われてるみたいですけれど。

  • ZZR
  • 2008年02月27日 00:27

くまさん、おもしろい表現ですね。
「毒が染込んでいる」か・・まさしくそうですね。
でもね、小泉八雲は今読むとユーモラスですよ!
「雪女」なんて、僕には人間に恋した妖怪のもの悲しい物語に読めるんです。やはり、「日本昔話」の世界を西欧人がユーモラスに、また詩的に、そして民話としてとらえているのがわかるんだね。ぜひ、一回も引っ張り出したことのないその本を本棚から「日のあたる場所」に出してやってください。「化け物」の力は闇夜にしかでてきませんのでご安心(笑)。

  • バイカー修
  • 2008年02月25日 23:25

こんばんは
図書館の書棚に並ぶ背表紙に 小泉八雲全集の名前を見つけただけで
もう気が重くなってしまうほど怖がりだった小学生時代。
その本には 毒が染込んでいる様な気がしてならなかったです。
近くの本を取る時も決して手が触れないように注意してました。
以来決して近づくことなく、毒に犯されることも無く(笑)大人になりました。
・・・そうか、こんな切ない話もあるんですね。
今ならそれなりの感性を持って読めるでしょうか。食わず嫌いを止めてみようかな。
怖がっているばかりでなく、現代の妖怪や魑魅魍魎とも 戦って生きていかないといけませんしね。

  • くま
  • 2008年02月25日 18:49

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