2008年01月16日

閑吟集

我が恋は  水に燃えたつ蛍々(ほたるほたる:火垂)  物(もの)言はで笑止(しょうし)の蛍
-[1518] 室町時代の歌謡集「閑吟集」より-

500年前のラブソングだ。私の恋は、水に燃えたつ蛍のよう。この「蛍」を「火垂(ほたる)」の字をあてるところがにくい!この「火垂」は、野坂昭如の小説「火垂るの墓」の蛍だ。また、「水に燃えたつ」は「見ずに燃えたつ」となって、会うこともできすに悩む恋・・。「笑止の蛍」これがわからないでしょ?なんで蛍があざ笑うの?・・これはね、「笑止」の意味が今と違うんだ。物も言えない哀れな蛍・・つまり哀れな自分ね。「笑止」ってのはこの時代、哀れなとかかわいそうなって意味なんだ。通しで言うと
   「私の恋は、水に燃えたつ火垂たちのよう・・物も言えない哀れな蛍」  
いいねえ!なんてすばらしいんだ!こんな、へたな訳文をつけなくっても、雰囲気とカンジでわかるでしょ?いくつか紹介しよう。   
   「今結(ゆ)た髪が はらりと解けた いかさま心も 誰(た)そに解けた」   
これも粋だねえ。では決定版! 
   「来(こ)し方より 今の世まで 絶えせぬものは 恋といへる曲者(くせもの) げに恋は曲者曲者かな  身はさらさらさら さらさらさら 更に恋こそ寝られね」    
これは重ね言葉がおしゃれだねえ。曲者を三回も重ね。さらさらは数え切れず。「更に」なんてしゃれまで入れてる。日本語って本当に美しいと思いませんか?バイカー修ちゃんは誰も読まない「閑吟集」なんかをひそかに読んで楽しんでる。皆さんにもおすすめするよ。ぜったい楽しいから。

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