さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど高く澄んだ鈴の音で鳴り響いて、胸を締めつけるから、せめて周りには聞こえないように、私はプリントを指で千切る。
細長く、細長く。紙を裂く耳障りな音は、孤独の音を消してくれる。
気怠げに見せてくれたりもするしね。
葉緑体? オオカナダモ? ハッ。っていうこのスタンス。
-[1984-] 京都出身2004年最年少の芥川賞受賞者 綿矢りさ 2004年芥川賞作「蹴りたい背中」の書き出し-
この小説「蹴りたい背中」は「文芸春秋」でたまたま見かけ読みました。
綿矢りささん19歳の作品だということにもショックを受けましたが、一気に読んでしまいました。とくにこの書き出し。
ちょっと、天才的なセンスを感じましたねえ。またご本人も芸能人みたいなかわいいお嬢さんだということにもダブルショックでした。
この2003年から2004年の芥川賞、吉村萬壱 「ハリガネムシ」、金原ひとみ 「蛇にピアス」、途中のは正直おもしろくなくって読むのを中断。
2006年の青山七恵 「ひとり日和」まで読んではみた。その中でも、この「蹴りたい背中」が一番の才能って感じたな。
でも、過去の受賞作を思うと・・小粒になってきた感は否めない。
歴代の芥川賞の中でもバイカー修ちゃんがいちばん好きなのは、1954年の吉行淳之介 の「驟雨」ですね。
これは今でも好きで、CD小説でよく聞くんだ。僕のCD小説は、な、なんと渡辺謙の朗読なんだ。
バイカー修ちゃんはなかなか時間がなくって、クルマで移動するときに小説をCDで聞くんだよ。
渡辺謙の朗読のうまさもあってこの「驟雨」は抜群のできだと思う。本当に大好きだ。
・・で、この「蹴りたい背中」不思議な説得力があるんだね。
19歳の女の子の私小説的な内容に共感する僕ってなんなんだろう?
「驟雨」はサラリーマンと売春婦に身を落とした女性との話なんだ。
「君・・茶の湯をしたことがあるね・・」これでその女性の半生がわかる。
50年の歳月で、女性も変わったなあ・・・。
だれが19歳の女性作家が芥川賞になるなんて思ったろう。
これが国が成熟するってことのひとつの例なんだろうな。


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