佐久間象山(しょうざん)は、物知りだったよ。
学問も博し、見識も多少もっていたよ。
しかしどうもほら吹きで困るよ。
あんな男を実際の局にあたらせたらどうだろうか。
...なんとも保証は出来ないのう。
-[1823-99] 幕末・維新の政治家 勝海舟「氷川清話」より佐久間 象山評-
けっこうウケがいい勝海舟だけど、ちょっとおもしろいところを連作で紹介しよう。
これで「読んでみようかな」なんて思ってくれたら、勝先生もうかばれようというもんだ。
大企業の部長さんも、中小企業の社長さんも、小学校の校長先生もたまには朝礼でこういう話もいいと思うぞ。
勝先生にかかっちゃ、松代藩(今の長野県)出身の偉人、佐久間象山もバッサリだ。
この人はどうも勝先生だけじゃなくて、いろんな人からも評判の方はよろしくない。
尊大・女好き・自信過剰ってそれ勝先生といっしょじゃないか?
それにこの佐久間先生は勝先生の妹を嫁にしているのでこの二人は義理の兄弟なんだな。
どうも、この佐久間先生は今、テレビによく出てくる「お茶の間経済人」みたいな軽さがあったんだろうなあ。
これだけ勉強して、数学や朱子学の大家と言われながら「軽い」っていう人も珍しい。
あまり評判かんばしくない佐久間先生だけど、こういう人の評価も時代とともに変わるかもしれないからね。
まあ、この佐久間先生と謁見(えっけん)して公武合体や開国を聞いた徳川慶喜は本当にそうしようとしたんだから、影響力絶大な知識人だったのはまちがいない。
でも幕末に京都くんだりでこういう過激(当事としては)な発言をしてたら・・命はヤバいぞ。
案の定、佐久間先生は「人斬り彦斎(げんさい)」こと河上彦斎に、京都三条木屋町で暗殺されることとなる。
ちなみに義理の兄貴の勝先生も、京都で暗殺されかかるんだけど・・「人斬り以蔵」こと岡田以蔵(いぞう)に用心棒を頼んでてこっちは助かっている。
だから「氷川清話」が残ってるんだよなあ。
死人に口なし。



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