2007年09月06日

ウィンストン・チャーチル

私はスターリンに向かって切り出した。「我々のバルカン問題を片づけましょう。ソ連の軍隊はすでにルーマニアとブルガリアに入っている。一方イギリスもバルカン諸国に利害関係を持っている。我々がぶつかり合うことは避けましょう。そこで提案しますが、ルーマニアはソ連の優先権90パーセント、一方ギリシアはイギリスの優先権90パーセントとしたならば、あなたの意見はいかがですか。」私は紙に書き留めてスターリンの前に押しやった。しばしの時間が過ぎた。スターリンは青い鉛筆をとると、承認というように、そこに一本の太い線を引いて、返してよこした。
-[1874-1965] 英国の元首相 サー・ウィンストン・レオナルド・スペンサー=チャーチル「回顧録」より

これはチャーチルとスターリンのヤルタ会談でのやりとりです。このヤルタ会談で第二次大戦の戦後処理がチャーチル、ルーズベルト、スターリンというたった3人の指導者で決められるというところがすごい。ポーランドの領土、バルカン半島、日本へのソ連参戦などが現地で戦争をやってる人々とは無関係にこのヤクザの親分のような大ボスが決めていく。不条理ですなあ。そしてこの後、ソ連スターリンの裏切り行為がエスカレートし、戦後ソ連という巨大な悪魔が台頭するんだね。つい最近のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争や、コソボまでひきずった歴史の大転換は、紙の上に手書きで書いた走り書きと、青鉛筆で返事したこの二人のやりとりで決まったんだ。この紙切れにどれだけ多くの血が流されたんだろう。こういう目でこの「回顧録」を読むと、チャーチルがいかに歴史をつくっているのはこの自分だという信念のもとに政治を行っていることを感じる。今の日本の政治家と首相に読ませたいと思うぞ。日本はまちがいなく世界に影響を与える大国だ。その船長はあまりに凡庸で心もとない。それが恐ろしい。

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コメント

くまさん、お久しぶり!
ナポレオンが1798年にエジプト遠征したときに「諸君、これらのピラミッドの上から、四十の世紀がわれわれを見つめているのだ」と言ったんですね。これなんか「余が歴史をつくっている」自覚でしょうなあ。成功するか失敗するかは問題じゃないんだね。ナポレオンなんて最近までケチョンケチョンだったけど、今じゃ再び英雄です。他人がどう思うかを気にする日本の政治家。自分がどう思うかが偉人の分かれ目でしょうねえ。

  • バイカー修
  • 2007年09月07日 09:23

こんばんは
こんばんは
”歴史をつくっているのはこの自分だという信念のもとに政治を行っている”・・・結果よりも、そういう風に自覚して当事者感を持って生きられるということそれ自体を尊敬します。
現代日本は何かと言い逃れの道を探して右往左往する大人が多すぎますね。(私も含めて)
その人の立場によって事の大小はありますが、良くも悪くも”自分で引き受ける覚悟”って大切だと思います。
自分がどの位まで引き受けられるか それがその人の成し遂げる仕事の大きさになって行くんでしょうね。やっぱり歴史に名を残す政治家は偉大です。

  • くま
  • 2007年09月07日 01:58

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