2007年07月03日

浅田次郎

武士はその出自がすべてじゃった。いや、あの時代には、生きとし生くる人間の一生が、すべてその出自によって定められていた。そうした時代にあっても、武術なり学問なりの教育が行き届けば、突然に身分不相応な才というものが出現する。武に秀で学に長じ、しかも貧しさの分だけ情のこまやかな人物がの。
-[1951-] 東京出身の小説家 浅田次郎「壬生義士伝」より吉村貫一郎を回想する斉藤一 下巻より-

実は、バイカー修ちゃんが浅田次郎を読んだのは「壬生義士伝」が初めてです。テレビで渡辺謙が吉村貫一郎を演じたとか、映画で中井貴一が演じたとかが理由じゃないんだ。母がこの本をプレゼントしてくれたんだ。義理の母は何度か紹介してるけど、じつに読んでる本のセンスがいいんだよ。正直、新撰組の小説?吉村貫一郎?浅田次郎?・・てかんじで2ヶ月くらい「積読(つんどく)」状態だった。あまり興味をひかなかったし、仕事で疲れていたので、こんな上下巻の分厚い小説を読む気にならなかった・・でもふとベッドで寝る前になにげなく読み出したら・・ほとんど徹夜してしまいました!浅田次郎初の時代劇だそうですが読ませますねえ。泣けました。映画より小説の方が数段いいです。その中で心に残ったところがこの部分なんですねえ。「人斬り貫一」と恐れられた吉村貫一郎のキャラをあらわしています。吉村貫一郎は実在の人物なんですが、じつはどういう人かよくはわかっていないのです。でも見事に脚色してあって読ませます。なんでも「足りない」くらいがちょうどよい。「情のこまやかさ」は貧しさのなかでの思いやりがはぐくむという部分が大きかったと思うぞ。強烈な神さまもいないこの日本。「世間サマに申し訳ない」という恥の思想はこの「情のこまやかさ」をこの国民の美学としてきた。この「世間サマ」がなくなってしまえばこうも変わるのか?これも同じ日本人なんだ。無くした何かを吉村貫一郎は教えてくれる。

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コメント

タクシーママ、バイカー修です。四国から帰ってきましたか?
そうなんですよね。お店をやってると、ホントに時代の流れを感じてがかりすることが多いですね。
とくに若い子たちは「時代のカナリヤ」だから、よくも悪くも影響されちゃう。
「美しさ」というものをだれもその女の子たちに教えてあげなかったんでしょうね。
その子たちがどういう人生を過ごすのかバイカー修も心配になります。
浅田次郎って文章うまいんだよ。僕はこの文章だけでもう泣けちゃうもの。
タクシーママ、讃岐うどんは食べましたか?

  • バイカー修
  • 2007年07月04日 06:12

「盛岡のこぶしは石を割ってさくのす!」って聞こえてきそうですよね。くまさん。
くまさん、わるいことはいいません。自宅にあるんなら読んでみましょう!
さすがに「平成の泣かせ屋」っていわれるだけありますよ。浅田次郎は。
僕はじつは、映画のDVDも持ってて、何度も見ました。家を捨て、藩を捨て脱藩するときに息子の嘉一郎と娘のみつと別れるシーンでは泣いてしまいます。
「泣く」っていうこと。涙を流すということに安心するんですよ。

  • バイカー修
  • 2007年07月04日 06:04

バイカー修さん、こんばんは。
以前コンビニの駐車場で、地面に座って(それもすごい格好で!)化粧している高校生の女の子の集団を見たことがあります。
彼女達は誰の目を気にして、自分の姿を美しく見せるための化粧をしていたのでしょうね?
そんな彼女達の姿を見ながら、一緒にいた娘に「いくら外見をきれいにしても、心を磨かなければきれいには見えないと思うよ」と話しました。
「情のこまやかな人」。いい表現ですね、そういう人になりたいなぁ〜。

  • タクシーママ
  • 2007年07月03日 22:38

おはようございます!
結婚以来うちの旦那さんの涙というものは 数えるくらいしか見たことがありませんが、この本読んでる時は 泣いてましたねぇ・・。新撰組好きの娘も、ティッシュBOX片手にこの本読んで泣いてました。(私は読んでいないんですけどね。)
映画がTV放映された時は 家中で ”おもさげながんす”が流行りました。

  • くま
  • 2007年07月03日 07:52

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