福井威夫

90年代後半、「400万台クラブ」という言葉がありました。生産台数が400万台以上ないと自動車メーカーとして生き残れない、とね。大メーカーが部品を集中購買することでコストを下げ、すごい利益を出すんだなんてね。結局そんな話はありませんでした。ないんですよ、あんなの。
-[1944-] 東京都出身「世界一速い社長」本田技研工業 第6代社長 福井威夫 2004年7月の発言-

ご存知「世界のホンダ」の現社長の福井さんの言葉だ。この人すごい人なんだ。4年前のジャーナリストへのプレゼンで、F1マシンでサーキットを周回。300キロで走っちゃった。その後、降りたドライバーがヘルメットを脱いだらなんと!福井社長その人!次にこの人、F1より難しいバイクのMotoGPのチャンピオンマシン「RC211V」にまたがりこれでまたまたサーキットを周回!!ハンパなスピードじゃないぞ。1000ccのレーシングバイクは想像を絶する加速だそうだ。あまりの激しさに今じゃ排気量が800ccにダウンされたくらいだ。ジャーナリストはドギモをぬかれた。「世界一速い社長」のネーミングはここからきてる。でも取り巻きの社員さんはハラハラだったろうなあ・・。今から10年くらい前、400万台以上生産できない自動車メーカーは生き残れないなんて盛んに言われた。フォードにいたってはホンダを買収するって話まであったくらいだ。今じゃどうだろう?当時のフォード社長ジャック・ナッサーなんか「ボルトとナットだけでビジネスをする時代は終わった。将来は製造部門を社内に置く必要もないかもしれない」(http://www.q-bic.net/biker/diary/html/200108/29.htm)なんて言ってたんだよ!ぜんぜんそうはなっていない。フォードもGMも目もあてられない状態だ。でもホンダのバイクは今あんまりパッとしない。今街中を走っている大型バイクの半分はハーレーダビッドソンでしょ?クルマはアメ車はダメだけど、バイクのアメ車は絶好調だ。これもまたハーレーはホンダに比べると「中小企業」に近い。価格も倍高い。でも売れている。もう10年も!!福井さんはこれも憂いておられて、「ホンダのバイクは格好がよくない!」と激を飛ばされている。確かに大企業がバイクのような色っぽい「嗜好品」をつくるのは難しい時代になった。サラリーマンに「嗜好品」はつくれないでしょ?クルマは実用品だけどバイクは嗜好品なんだ。「安くて燃費がよければいい」なんて図式は通用しない。こんな福井社長みたいな「カー・ガイ」や「オトキチ」がクルマやバイクをつくらなきゃ味のあるマシンはできない。「400万台クラブ」なんてのは過去の話になっちゃった。

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