2006年02月28日

トーマス・スターンズ・エリオット

ぼくらはサボテン かけまわるサボテンさん。ぼくらはサボテンかけまわる もう夜も明ける 五時なのに 観念と実在との間(あいま)に、動作と行為との間(あいま)に、影が落ちる

-[1888-1965] 英国の詩人 トーマス・スターンズ・エリオット『うつろなる人々』第5節 深瀬基寛 訳より-

バイカー修ちゃんはT・S・エリオットの詩は好きではない。この人の詩は「生きて」いない。上のやつなんかはいいほうだ。結びの言葉が詩的だし。しかし「不滅のささやき」の一節・・「乳くびのない生きものが地の下で唇のない笑いを浮かべてのけぞった」おいおいホラーだよ。この人ノーベル文学賞受賞者なんです。このエリオットを一躍有名にしたのは世紀の「怪作」映画「地獄の黙示録」だろう。立花隆さんやいろんなインテリが絶賛するこの映画・・・そんなにおもしろいかなあ?バイカー修ちゃんは何度見ても面白くない。これより「2001年宇宙の旅」の方がずっと哲学的だと思う。マーロン・ブランド扮するカーツがラスト近くに詩を朗読するシーンがある・・長々と。これがエリオットの『うつろなる人々』の一節なのだ。「わたしたちはうつろなる人間 わたしたちは剥製の人間 互いに寄りかかりながら、頭には藁が詰まっている」このシーンは狂気だね。カーツは狂っている・・ように見えるのだ。しかし彼から見ると狂っているのはアメリカであり、べトコンであり、世界そのものなのだろう。その意味でこの映画はその後の「戦争不条理もの」「シンドラーのリスト」「プライベート・ライアン(ライアン二等兵:あえてこう呼びたい)」「プラトーン」などより重い映画ではある。そんな映画に引用される詩。それがエリオットなのかなあ。

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